雨上がりに時折見られる『虹』。キレイな七色で、見つけたときはラッキーですよね。
「なぜ七色なのか?」「どうして雨上がりに現れるのか?」「なぜあの形なのか?」など、『虹』について疑問に思うことは多いと思います。
不思議な自然現象ですが、虹が見られるためには決まった条件があり、「なぜ虹ができるのか」にはきちんと理由があります。
今回は、虹ができる理由について分かりやすく解説していきます。
虹ができる条件
虹ができるためには、『太陽の光』と『雨』が必須です。
雨が降っていて雲のすき間から日が差してきたとき、晴れているのに雨が降ってきたときなどに虹ができます。雨が降ったり止んだり変わりやすい天気のときにも虹ができやすいと言われます。
通常は、太陽を背にして雨が降っている方向にできます。
また、太陽の高度が高いと小さい虹ができ、高度が低い朝や夕方は大きい虹ができます。
虹は何色?
日本では、虹の色は外側から『赤・橙・黄・緑・青・藍・紫』の7色とされています。
これは全世界共通ではなく、多いところでは8色、最も少ないところでは2色とする国があります。
どの国でも見えている虹は同じですが、色を表現する言葉があるかどうかで虹の色の数が異なります。
スポンサーリンク
なぜ虹ができるの?
虹ができる仕組みは少し複雑です。
虹について説明する前に、『光の性質』や『色』について知っておくと、理解しやすいので、先に解説していきます。
「光」と「色」
光の正体は『電磁波』です。
電磁波にはテレビやラジオの電波や、レントゲンのX線、電子レンジのマイクロ波なども含まれますが、『光』も電磁波の一種です。
光のうち、人間が色として見ることができる波長の光を『可視光線』と呼びます。
より長い波長の『赤外線』、短い波長の『紫外線』などはわたしたちの目には見えません。
太陽光などの色のない光は『白色光』と言われています。
白色光は無色透明の光ですが、実はさまざまな色の光が混ざり合ってできています。
『色』は物体に当てられた『光』が反射して、網膜を刺激することで見えています。

太陽光などの白色光をプリズムに通すと、虹と同じような色の帯ができます。
光はプリズムに入ると『屈折』し、混ざり合っていた色が分かれます。
これは光の波長の違いによって屈折する角度が異なるためです。

プリズムとは…
『プリズム』とはガラスなどの透明な物質でできた多面体のことです。
光を分散させたり、屈折させたりするもので、三角柱のものが一般的です。
また、プリズムによって分かれた、赤から紫までの光の色の帯のことを『光のスペクトル』と言います。

スポンサーリンク
虹ができる仕組み
雨上がりは、空気中に小さな水滴(雨粒)がたくさん浮いている状態です。
太陽光は水滴の中を通るときに屈折し、反射してわたしたちの目に映ります。
このとき、水滴がちょうどプリズムと同じはたらきをしているため、太陽光の色が分かれて七色の虹が見えるのです。

空気中で、光をプリズムに当てたときと同じ現象が起きることが、虹ができる仕組みです。
稀に2本の虹が見られるとき、内側のはっきりと見える虹を『主虹』、外側にうっすらとかかる虹を『副虹』と言います。
副虹は水滴の中での屈折が2度起きた場合にできます。
屈折を繰り返すことで光の量が減衰していくため、副虹は主虹よりも薄くなります。
副虹の色の配列は主虹とは逆で、赤が内側、紫が外側になります。
なぜ虹の形はアーチ型?

虹が見られるのは、『太陽・水滴・観察者』の3点のつくる角度がある一定の角度になるときだけです。
虹が見えるときの空中には無数の水滴(雨粒)が浮いています。
その一粒一粒に太陽の光が反射しているのですが、私たちの目に映るのは太陽から出た光が40〜42度の角度で反射する場合だけです。
この40〜42度という角度にある水滴がちょうど弧を描く位置にあるため、虹の形はアーチ型になるのです。
実際には虹は円の形をつくっているのですが、通常見られるのは円の上の部分だけで、下の部分は地平線よりも下にできるため、地球に隠されていて見ることができません。
スポンサーリンク
まとめ
虹は自然がつくり出す不思議な現象ですが、その原理は科学的に説明することができます。
「虹ってくぐれるの?」「虹の根元に行けるの?」という疑問を持っていた方には少し残念かも知れませんが、虹はいくら近づいても遠ざかっていくばかりで、永遠に近づくことはできません。
そのときの自然条件によって、見える虹の大きさや色の鮮やかさなどは異なります。
虹が見れるだけでもラッキーですが、好条件で綺麗な虹が見れたらうれしいですね!