マイクロプラスチックとは、大きさが5㎜以下の小さなプラスチックのかけらのことで、人間によって生み出された海洋ゴミです。このマイクロプラスチックが海の生物に悪影響を及ぼしていることが環境問題となっています。
今回は、マイクロプラスチックとその問題点についてわかりやすく解説していきます。
マイクロプラスチックとは?

マイクロプラスチックとは、大きさが5㎜以下の小さなプラスチックのかけらのことで、発生源の違いから一次マイクロプラスチック・二次マイクロプラスチックの2種類に分けられます。これらは人間によって生み出された海洋ゴミで、海の生物や人間のカラダに健康被害を及ぼすとして問題視されています。
- 一次マイクロプラスチックとは、製品に使用する材料として小さく加工されたプラスチックのことです。プラスチック製品の原料になるレジンペレットや、歯磨き粉などに含まれているマイクロビーズなどがこれにあたります。
- 二次マイクロプラスチックとは、劣化することによって小さくなったプラスチックのことです。海に流されたビニール袋や砂浜に打ち上げられたペットボトルなどが、紫外線や熱によって劣化し、やがて小さなプラスチック片になります。
陸上で発生したマイクロプラスチックも排水溝を通ってやがては海に流れ着きます。
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マイクロプラスチックの問題点

マイクロプラスチックの問題点は、海の生物がマイクロプラスチックを摂取してしまうことにあります。
マイクロプラスチックには汚染物質を吸着する性質があり、この汚染されたマイクロプラスチックを海の生物が摂取することで、体内に蓄積してしまい健康被害が出てしまいます。
海に浮かぶ大きなプラスチックゴミも、クジラやウミガメなどの海の生物が間違えて食べてしまい、消化できず命をおとしてしまうという事態を引き起こしています。しかし、それよりも怖いのがマイクロプラスチックです。
マイクロプラスチックの大きさは5㎜以下と非常に小さいため、一度海に流されてしまうと回収するのは困難です。中には目に見えないほど小さい粒子になったマイクロプラスチックもあり、プランクトンにまで影響を与えてしまいます。
そして食物連鎖によってわたしたち人間のカラダにも影響を及ぼすわけです。
マイクロプラスチックの被害を減らすために

世界中の海でマイクロプラスチック汚染の被害が確認されており、プラスチック製品の使用を制限する動きが広まっています。
例えばイギリスでは、マイクロビーズの使用やプラスチック製品の販売を禁止する法律が施行されています。またフランスではプラスチック製の容器や食器を禁止する法律ができて、2020年から施行されます。ほかにも各国でさまざまな取り組みがはじまっています。
日本でも2018年に、事業者にマイクロプラスチックの使用の抑制を求める改正案が成立しましたが、規制ではないため、世界に比べると対策は遅れていると言えます。
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まとめ
マイクロプラスチックは5㎜以下の微細なプラスチック片のことで、海の汚染物質が吸着しやすく、海の生物や人間を含めた生態系に影響を及ぼすとされています。
世界的にマイクロプラスチックの使用を制限する動きが広まっており、これからますます規制が厳しくなっていくでしょう。
リサイクルも大事ですが、プラスチック製品を使わないという選択も必要になってきます。日本ではまだ規制されていませんが、レジ袋は使わない、ペットボトルの飲み物を買わずマイボトルを持ち歩くなど、環境問題に敏感な人はすでに自主的に対策を始めています。